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落語を聴いてみよう


あなたは、落語を聴いたことはありますか?

中世・近世から続いている話芸の一つである落語は、基本的にとてもユーモアに富んでいて、その落語でしか表現できない独特の世界観がある、とても魅力的なパフォーマンスです。

今回は、そんな落語の魅力についてお送りいたします。

●落語の生い立ち

物語にオチをつけて、その物語を語るだけでなく、表情ややり取り、演技もつけていく話芸・落語。

そんな落語が生まれたのは、室町時代末期から戦国時代にかけての時期だといわれています。

その落語を披露していたのは、当時の「御伽衆(おとぎしゅう)」といわれる、戦国大名のもとで使えていた話芸専門の芸人たちです。

当時は、茶会の余興の一つとして楽しまれたのだそうです。

そして時を経て、江戸時代の元禄期に、京都に複数存在する「噺家(はなし

か)」と呼ばれる芸人たちの活躍によって、落語はどんどん普及されていきます。

やがて、落語が世間で知られるようになると、茶会の余興として楽しまれるだけでなく、噺家たちは芝居小屋や風呂屋などにも呼ばれるようになり、ついには「寄席(よせ)」と呼ばれる、大道芸の見世物の一つとして発展していったのです。

現在行われている落語は、おもにその「寄席」による演芸のことを指しています。

では、落語にはどういう種類があるのでしょうか。

今度は、そのことについて見ていきましょう。

●江戸時代の雰囲気が味わえる「古典落語」

落語の種類は、おもに2つあります。

一つは、日本の古き良き時代を語り継ぐ「古典落語」というものです。

江戸時代の義理人情の物語を扱ったり、江戸時代の商人や職人、貧乏人などを主人公にした滑稽な物語を扱うことが多いです。

その古典落語の中でも、現在の大阪にあたる上方地域を舞台にした古典落語を「上方落語」と言い、現在の東京にあたる江戸地域を舞台にした古典落語を「江戸落語」と言います。

「上方落語」と「江戸落語」は、互いに似ているようで異なった、それぞれの独特のおもしろさが披露されていますので、聴き比べをしてみるのもいいでしょう。

●現代的な題材や視点で演じられる新作落語

もう一つは、現代的な題材や観点で物語が展開される「新作落語」というものがあります。

江戸時代の人情話や滑稽話を扱っている古典落語に対して、新作落語はおもに現代を舞台にした作品が多いのが特徴です。

その題材は現代人の日常などを扱うだけでなく、時には映画や小説などを下敷きにしておもしろおかしく脚色している新作落語もあります。

そちらの方は、あまり落語に親しくない人にも比較的楽しみやすくつくられている話が多くて、初心者にはこの「新作落語」のほうがおすすめです。

伝統的な演技・演出法を引きついだ落語の手法でできるその新作落語独特のおもしろさは、コメディー映画やコント、漫才などでは代えがたい魅力があります。

もしも聴く落語の種類に困ったら、まずは新作落語に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

●語りゆえの演出とやり取りの演技が見どころ!

そんな落語の最大の見どころは、ズバリ2つあります。

一つは、語りゆえの独特の演出です。

舟をこぐ船乗りのシーンでしたら、懐にある扇子を櫂に見立てて、演者自身が実際に舟をこぐしぐさをします。

そういうしぐさをするだけで、私たち観客にはすぐ「舟をこいでいる」というイメージができるのです。

場面転換するときも、噺家が話題としぐさをコロリと変えるだけですぐにシーンが変えられます。

それは、語りゆえの簡素な演出だからこそなせる業なのです。

もう一つの最大の見どころは、落語におけるやり取りの演技です。

落語は、たった一人で行うひとり芝居のようなものなのですが、実際に物語に登場する人物はたいてい2,3人が多く、決してただのひとり芝居ではありません。

その響きのいい言葉のやり取りと、随所に入ってくる小ネタのギャグこそが、落語の醍醐味だといってもいいでしょう。

そういうやり取りがあるからこそ、ただの朗読やひとり芝居よりも奥が深く、かつ濃密に物語の世界にひたることができるのです。

以上の、2つの見どころに注目して鑑賞されることをおすすめします。

語りによる演芸の深い可能性と、その独特のおもしろさが十二分に味わえますよ!

●あとがき

いかがでしたでしょうか。

今回は落語の魅力について軽く書かせていただきました。

何か新鮮味のある話はあったでしょうか?

落語は、人生の苦しみやつらさを笑いに変える力があります。

ぜひ、あなたも落語を聴いてみて、人生を笑って過ごせるぐらいの気分転換を

なさってみてください。

このコラム記事が、あなたの人生をより豊かにできることを心から祈ってます。

それでは、今回のコラムはここまでとさせていただきます。

どうもありがとうございました!

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