演劇は何のためにあるのか
- 岡本ジュンイチ
- 2020年3月27日
- 読了時間: 4分
世界中の人類の歴史において、演劇は末永く古代から現代まで引き継がれております。
古代ギリシャでは時の年中行事として行われたり、一部の偉い立場の人間の娯楽として親しまれたり、また現代では、その演劇を売り物にして市場を開拓したりしております。
そんな長い歴史を歩んできた演劇は、なぜ現代でも存在し続けているのでしょうか。
そもそも、演劇は何のためにあるのでしょうか・・・・・・?
今回は、そんな演劇が現代に存在する理由について、深く考えてみましょう。
●「演劇」という表現方法があることに意味がある
演劇が現代においても存続しているのはなぜか。
それは、理由はいくつかあるに違いありません。
「物語を表現する方法の一つとして親しまれてきたから」
「演劇を親しむ客層がいまだに存在するから」
「演劇独特の魅力が、人類に娯楽を与え続けているから」
そんな感じで、演劇が存続しているのにはさまざまな理由が考えられそうですが、今回筆者は特に、その「演劇」という表現があることに意味があることを強調させていただきます。
演劇は、人類における原始的な虚構世界であり、時代を引っ張る文化の最前線なのです。
「演劇」という表現が発明されなければ、現代の声劇や映画・テレビドラマ・アニメなどは存在しなかったと言ってもいいでしょう。
現代において話題になっているソーシャルゲームも、もとを正せば一種の「演劇」です。
自分自身が物語の主人公として演じて、その虚構の舞台を駆け巡る「ロール・プレイングゲーム」は、ひと昔前の表現で言い換えれば「体験型演劇」の一種だと言い換えることができます。
一つの物語を具現化させ、その世界を垣間見たり体験したりする娯楽文化。
そんな娯楽をいち早く生み出した手法の一つこそが、「演劇」なのです。
演劇は、人類最初のバーチャルリアリティー(架空世界)であり、原始的でかつ時代の最先端を行く表現手法なのです。
この「演劇」という手法が消えることは、おそらくないでしょう。
なぜなら、現代の表現には少なからず「演劇」という知的財産に強く影響を受けており、その影響の延長線上で現代の娯楽は成り立っているからです。
●演劇は、本当に観客のためだけにあるのか?
現代においては、さまざまな娯楽が同時にたくさん進行しているので、この古典的な「演劇」という手法で行われる娯楽の客層はおのずと少なくなっていることはあるでしょう。
そのことから、「そもそも人類には演劇なんて必要ない」という理論が出てくる人もいるでしょう。
ですが、その演劇不要論はただの個人的な一方的な意見でしかありません。
なぜか。
それは、演劇にはこれからも、人類全体を支える力が備わっているからです。
ほかの人間になりすまして見せる「演劇」という手法は、ただの観客の消費活動の一つとしてはたしかにあまりに古典的すぎる娯楽かもしれません。
ですが、演劇には嘘の世界をつくり、その世界で生きる体験をしてみることに意味があるのです。
演劇には役を演じたり、虚構の世界を築き上げる人間の心を癒す力があるのです。
事実、現代の情動療法の一つとして、この「演劇」という手法を取り入れている実例もあるようです。
また学校では、その演劇による集団行動を楽しく学べることから、「学芸会」が毎年披露されています。
そうです。
演劇には、ただ観客のために行う娯楽性だけでなく、その表現そのものにあるさまざまな可能性が強く秘められているのです。
●演劇は、価値観の共有をするための貴重なプレゼン・ステージ
演劇には、絵画や詩・小説、音楽とは違ったアプローチで表現する力があります。
それは、時に現実世界の対話の模倣であったり、時に人を感動させる抽象的な世界であったり。
いずれにしても、演劇には価値観を共有するための貴重なプレゼン・ステージとして機能する可能性も、大いに秘めているのです。
ただ自分たちの演技や表現手法を磨いてお金をもらうだけでなく、自分たちの感じていることを素直に直接社会に表現するための装置としても、十分機能し得るのです。
ですので、あなたも人として生きているのですから、この「演劇」という表現手法を知っておいて損することはないでしょう。
むしろ、演劇の世界を知ることによって、その表現による大きな可能性に強く惹かれるに違いありません。
筆者は、あなたにぜひともおすすめしたいです。
これを機に、演劇に触れてみましょう!
●あとがき
いかがでしたでしょうか。
今回はそもそも現代に演劇が存在する理由について書かせていただきました。
何か参考になったことはあったでしょうか?
上に書きました通り、演劇には人の心を救う力がある、古典的ながらもとても先進的な表現方法でもあります。
これを機に、ぜひ演劇に触れてみるといいでしょう。
そして演劇に出会い、ぜひあなた自身のまだ見ぬ未来の人生を幸せにしていってください。
以上、今回のコラムを終えさせていただきます。
どうもありがとうございました!
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